マキアヴェリ「君主論」について

マキアヴェリとは
 マキアヴェリはルネサンス期のイタリアの思想家です。国家の利益のためならどんな手段も許されるとか権謀術数主義などのマキアヴェリズムで有名です。「君主論」はフィレンツェの支配者の一人ロレンツォ・デ・メディチに献呈しようとした国家を維持する方法が書かれた書物であるそうです。マキアヴェリは軍事力、自国の軍隊、運、臨機応変を重んじているようです。

君主にとっての軍事、自国の軍隊の重要性
 君主は、戦いと軍事組織と訓練以外に、いかなる目的も、いかなる配慮も、またいかなる職務も、もってはいけないと書かれています。つまり国家維持の唯一の基盤は軍事力であってこれを疎かにしている国はたとえどんなに経済的に発展していても存続は難しいということだと思います。また、君主が自国を守る武力としては、君主の自国軍か、傭兵軍か、外国軍か、混成軍かであると書かれています。一番危険度が高いのは外国軍だそうです。外国軍に頼ると隷属、破滅してしまうそうです。傭兵は無統制であり、野心的であり、無規律であり、不忠実であるから、傭兵軍に頼ると国の安定は保証されないそうです。傭兵と自国兵の混成軍は外国援軍や傭兵軍よりはるかにましであるが、自国の国民軍に比較するとかなり劣るそうです。外国軍がなんの利益もなしに他国のために戦うことはありえません。敵国を滅ぼしてくれた後自分の国も滅ぼされたり、敵国を追い返してくれた後も自分の国に軍隊を駐留させ続けることもありえます。傭兵はお金をもらって戦うので君主に忠誠心があるわけでもないので君主が望む働きをするとは限らないでしょう。ただ自国軍を維持するには普段からお金がかかると思います。このために国家が財政的に豊かである必要があると思います。富国強兵が国家の主要方針であるべきでしょう。

運と臨機応変
 また、運命はまだ抵抗力がついていないところで大いに力を発揮すると書かれています。それから、君主は運命の風向きと事態の変化が命ずるところに従って、変幻自在の気がまえをもつことが必要と書かれています。つまり、国家の軍事力が圧倒的でないときは国家の存亡は運に左右されるので、一つの考えに固執することなく臨機応変に行動することが重要なようです。また、危害は早くから予知しておれば容易に対策を立てられると書かれています。つまり、普段から君主や自国にとっての危険を考え、察知することが重要なようです。

残酷さの種類
 また、残酷さがへたに使われたか、りっぱに使われたかが国を保持する上で重要だと書かれています。残酷さがへたに使われるとは、残酷さを小出しにやること、りっぱに使われるとは、自分の立場を守る必要上残酷さを行使してもそれに固執しないことだそうです。また、加害行為は一気にやってしまわなくてはならない、恩恵は小出しにやらなくてはいけないと書かれています。また、ある執念をもった人間の決意の結果として起こる残酷行為は、君主でさえまぬがれられないと言っています。一度残酷行為が行われると、残酷行為から免れた恨みを覚えた人々が復讐を行う恐れがあります。それを避けるためには残酷行為が行うときに禍根を残さないことが重要ということでしょう。

他国への支援
 また、他の者を強力にする原因をこしらえる人は自滅すると書かれています。弱小国を滅ぼしたり、他の強い国を戦いで支援したりすることは、自国を滅亡させてしまう危険な行為のようです。国家は微妙なパワーバランスの上に存続しているので、近くに強力な国家が出現してしまうと自国にとってとても危険なようです。近くの強力な国家に対して軍事的、経済的に支援する行為は避けなければいけないようです。

参考文献 マキアヴェリ 「君主論」 池田 廉訳