大衆に人気な作品
大衆について興味ないという人も興味あるという人もいると思いますが、大衆としての傾向はあるのでしょうか。あつまれどうぶつの森や鬼滅の刃やYOASOBIなどのヒットを見ると、人々の人気が一部の作品に集中しているように思われます。この1人勝ちの傾向は昔からあったものの、最近この傾向が強いと思うのは気のせいでしょうか。マスコミが特定の作品を紹介しがちだから、特定の作品が人気あるように見えるのかもしれませんが、だからと言って同じくらい人気の作品がたくさんあるようにも思えません。売り上げや再生数などから人気なのは確かなのでしょう。世の中には良い作品なのにそれほど人気がない作品はたくさんあります。それらとの違いは何なのでしょうか。まず子供から大人まで人気ある作品がヒットしやすのでしょう。鬼滅の刃のOPの「紅蓮華」やYOASOBIの「夜に駆ける」や森七菜の「スマイル」などどれも幅広い世代に支持されていたような気がします。「紅蓮華」や「夜に駆ける」は曲も特徴的でいい曲なのでヒットして当然なのでしょう。「スマイル」はカバーのようですがなぜ森七菜さんが歌ってヒットしたのでしょうか。「スマイル」と森七菜さんの何か相乗効果があったのでしょう。ヒットする作品は親しみやすく簡単すぎず難しすぎずバランスがいい作品なのでしょう。YOASOBIの曲は新しくもあり懐かしい感じがする曲みたいなことを関ジャムで古田新太さんが言っていたような気がします。またネットでもYOASOBIの曲は10年前を思い出すという意見がいくつかあるようです。
鬼滅の刃のヒットの理由
鬼滅の刃がジョジョやBLEACHなどに似ているというネットの意見もありますが、大正時代が舞台というのが新鮮さがあり受けたのでしょう。大正時代が舞台のアニメは、明治末期から約100年を扱った帝都物語やはいからさんが通るなどいくつかあるようですが、定期的にヒットしているようです。他がそれほでヒットせず鬼滅の刃がヒットしたのかわかりませんが、鬼滅の刃がヒットする土壌があったようです。大正時代のアニメ特有の懐かしくもあり異様な雰囲気に人々を魅了するものがあるのでしょう。
集合と共感
また人々は多くの人がいる所にいたい傾向があるようです。これは今に限らないと思いますが、将来に対する漠然とした不安から多くの人と一緒にいたい、共感したいと思う気持ちがあるのでしょう。ニュースや見たことや想像などで将来に対する恐れを何か感じ取っているのでしょう。
ステータス重視
また人々はファッションとして作品を好きだと言えると思います。すごく人気あるアーティストが不祥事を起こすと急に人気がなくなるということがたまにあると思います。本来、作品の評価とその作品の作り手は関係ないはずなのに、そういうことが起こるのは人々はステータスを重視しているのでしょう。何が語られたではなく誰が語ったかが重視されることからもわかります。
映像依存
また人々は映像をより好むようになったのでしょう。最近、文芸書や実用書でヒットした作品はあまり聞かず、動画ストリーミングやYouTubeなどの動画についてよく聞きます。動画ストリーミングは定額で見放題だったりしますので、本を買うお金がないだけかもしれません。最近人々は検索エンジンをあまり利用しなくなったという話も聞きます。ツイッターやYouTubeなどで済ます人も多いようです。あまり字をたくさん読む時間がないのかもしれません。これからは映像の時代だと言っている人もいるようなので、音声と映像が主流になるのかもしれません。
権威主義
これからは強い人、人気がある人を好きになる傾向が強まるのかもしれません。野生的で直感的かもしれませんが生物的には正しいのかもしれません。独創的個性的作品よりスタンダードの方がヒットしやすいのでしょう。人々の帰属性が高まっているのかもしれません。そういう時代かもしれません。人々は空虚を埋める物を欲しがっているのかも知れません。今の時代ヘーゲルやマルクス主義のような思想的ブームがないので、人々は心の拠り所がないのでしょう。家族、道徳などの価値観も揺らいできているので、どこか不安なのでしょう。その意味では快楽主義が人気なのでしょうか。エンターテインメント、人々をいかに楽しませてくれるかが重要なのでしょう。古代ローマでパンとサーカスが人気だったのと一緒なのでしょうか。古代ローマと今の日本では置かれている状況が違うので、難しいことを考えることを避けているというより、難しいことを考えることができないほど消耗しているということなのでしょう。